デザインはデザイナーのものではなく依頼者のもの
デザインは、ビジネスの問題を解決する一つの手段である。しかし、デザイナーに任せきりでは問題は解決できない。依頼者の中には自分の意見や要望を一切言わず、デザインを丸投げする人が稀にいる。主体性のないデザインでは、決して良い結果が得られていない。
デザインとは一体誰のもので、なぜ丸投げすることが良くないのか?そして、依頼者とデザイナーの関係性は本来どうあるべきなのか?を考えたい。
デザインは一体誰のもの?
デザイナーに任せるだけでは、依頼者の目的は達成されない。仮に、あなたが美味しいスイーツを食べたり映画に感動すれば、その良さを友人に伝えるはず。それはビジネスでも同じ。自社の商品やサービスが優れているなら、その良さを多くの消費者にわかりやすく伝え、購買につなげる努力をすべきである。デザインは、意味や目的がなければ必要がない。必ず、解決したい問題があり、その解決方法の一つとしてデザインがある。
では、デザインが必要なのは誰なのか?それは、問題を抱える依頼者であり、その問題に最も詳しい人物である。問題解決のためにデザインを選ぶなら、希望や未来の展望などをデザイナーに話し、積極的に介入すべきである。
デザインの丸投げはデザイナーの虚構
依頼者が必要なデザインを丸投げするのは、考えることを放棄するのと同じである。デザインは、依頼者一人ひとりのこだわりに応じて作るオーダーメイド商品。デザイナーは依頼者の考えなどを汲み取り、資料や情報をもとに相応しいデザインを創り上げる。だから、完全にデザイナー任せの丸投げデザインでは解決できない。
もし、依頼者自身でデザインができるなら、その方が良い。なぜなら、情報に最も詳しい人間だからである。あくまで、依頼者の「できない」を補うことがデザイナーの役割であり、デザインの本質まで任せてはいけない。
主導権は依頼者が握りデザイナーを目的地へ進める
問題を感じている依頼者がデザインの主導権を握る。そして、自分の思い通りにデザイナーを動かしながら、少しずつ目的に近づけていく。これが依頼者とデザイナーの理想的な関係であり、どちらか一方にすべてを任せるべきではない。まるで打ち出の小槌でも振るように、振れば理想的なデザインができればよいが、そんなわけには行かない。
デザイナーに「どうすれば良いか」と尋ねる前に、依頼者が「どうしたいのか」を伝えるべきである。