Works
作品集
スイーツのアクセントとして重要な存在であるケーキピックのデザイン
デザインの概要と考え方
スイーツに美味しそうな彩りを添えるケーキピック。経験したのは「難しさ」。
昭和のケーキ屋さんでは見かけなかったケーキピック。最近では、有名スイーツ店をはじめ小規模のショップでも、店頭に並ぶケーキにオリジナルのケーキピックが利用されています。
ケーキピックはケーキに彩りと華やかさを添え、お店のブランディングとしても統一感が生まれます。しかし、自宅のクリスマスパーティとは違いお店の商品に使うケーキピックは、食品衛生上の観点からも専門の印刷業者に依頼すべきです。小さな世界のデザインは楽しいのですが、デザインや印刷の制約が多く、かなり難儀しました。
ケーキピックの素材は、厚手の紙製素材や様々な形状に曲げられる通称くねくねピックと呼ばれるアルミ製が主流です。紙製のケーキピックは、ユポ紙にラミネート加工されているため耐水性・耐油性に優れ、比較的安価に制作できます。今回はアルミ製の曲げられる素材を選びました。高級感や高いデザイン性はありますが、特殊印刷で紙製よりも割高です。
早速、お店のロゴを使ってケーキピックのデザインを印刷会社にメールで送りました。しかし、オフセット印刷ではないため、線幅が細すぎたり細かく複雑なデザインは印刷できないようです。何度も手直しが必要となり、多くの妥協を乗り越えてケーキピックが仕上がりました。
自宅のパーティーでケーキピックを使いたい場合は、市販のケーキピック専用用紙が便利です。しかし、ケーキピックは直接食品に触れるものですので、可食性のインクや用紙を利用するか、既製品のケーキピック使う方が無難です。
高級店や有名店のショッピングバッグなどを日常使いしたり、食品容器を取り置くなど、すぐに捨てず保管する人は多いと思います。良いものを作れば、何も言わなくても消費者が広めてくれます。お店が提供するものすべてが広告物だと、改めて気付かされました。
◎依頼された経緯や目的は? お店で販売されるタルトやケーキにオリジナルのケーキピックを使いたい、という要望がありデザインをしました。
◎最もこだわったポイントとは? ケーキピックを印刷するには最低の線幅や自由な表現にも限界があり、数々の妥協を強いられながらも理想に近い美しいデザインに仕上がりました。