Works
作品集
斬新な内装と美しい眺望を打ち出した中古マンションのリノベーションチラシ
デザインの概要と考え方
バブル期に竣工され、室内をリノベーションして集客に挑む高級賃貸マンションのチラシ。テーマは「心地よさと一体感」
竣工は1989年、まさにバブル絶頂期。建物の造りは堅牢で、室内の窓枠や扉の造りからもうかがえます。当時は、窓外から眺める夜景の美しさを称して「大阪のマンハッタン」と呼ばれたといいます。夏には、間近に花火大会を体感でき、最高のロケーションとして名高いタワーマンションだったそうです。
時は流れ、建物の築年数が経過すると共に物件の稼働率は下がり始めました。長期間利用されない部屋はホコリを被り放置され、宝の持ち腐れ状態が続いていました。しかし、物件の価値や稼働率を再び取り戻そうと、室内を新たにリノベーションし、モデルルームや内覧会をする計画となりました。そこで、チラシやパンフレット、Webサイトなどで周知徹底を図るためデザインの依頼を受けました。
リノベーションされた部屋は見違えるように変わり、カメラマンが撮影したデータを見ながらデザインのアウトラインを考えました。美しい写真には無駄な言葉は必要なく、チラシ一面に写真を配置するだけで、その素晴らしさは伝わるものだとわかりました。
タワーマンションの最大の魅力である「夜景の美しさ」を、実際の花火大会の写真を添えてチラシ裏面に大きく扱いました。全戸が同じ向きにバルコニーを備えているため、マンションのどの部屋からも夜景が望め、サービス面や設備面も充実していることをチラシで表現しています。
リノベーションをはじめ広告活動などの効果もあり、稼働率は回復して周知徹底することもできたので、チラシやパンフレットなどの広告物も役割を果たせたと言えます。
年代を感じさせる低い天井や頑強な太い窓枠などは斬新で、現代では見ることがないため、この情報が魅力につながると感じました。バブル期に建てられた高級賃貸マンションでも多くの魅力があるのに、これまで入居者が少なく稼働率も悪かった理由は、これらの魅力に気づかず諦めていたからではないかと思います。
◎依頼された経緯や目的は? バブル期の高級賃貸マンションを室内リノベーションし、モデルルームや内覧会の集客目的としてチラシを作成しました。
◎最もこだわったポイントとは? リノベーション後の重厚な室内写真や室内からの美しい夜景写真など、プロカメラマンが撮影した数々の写真を最大限に活かす、見て良さが伝わるデザインを目指しました。